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妊娠が分かったとき、最初に頭をよぎるのは「お金のこと」だという先生が多い。

「産休中の給与はどうなるの?」 「育休中はいくらもらえる?」 「育休2年取ったら年収はどう変わる?」

こういった不安は、制度を正確に知ることで、かなり和らぐ。

この記事では、公立教員に特有の共済組合の仕組みに絞って、産休から育休、復帰後の給与回復まで、お金の流れをまとめて解説する。 民間向けの「育休給付金」記事とは制度の出所が違う。 その違いこそが、この記事を読む理由だ。

※本記事の制度情報は2026年6月時点のものです。 制度改正・地域差があります。 実際の申請・計算は必ず所属の共済組合に確認してください。


目次

  1. 教員の妊娠が分かったら——最初にやることリスト
  2. 産休・育休タイムライン——お金の流れを1枚で確認
  3. 産休(産前産後休暇)の制度と給付
  4. 教員の育児休業手当金——計算式と申請の仕組み
  5. 2026年4月新設・育児休業支援手当金とは
  6. 給付額シミュレーション——年収400/500/600万円ケース
  7. 月別手取りシミュレーション——年収500万モデルで1年を追う
  8. 育休中の手取り変化と家計設計
  9. 育休中の社会保険料(掛金)免除
  10. 産休育休中にやるべきお金の手続き
  11. 復帰後の働き方選択肢——時短勤務・部分休業・保育園問題
  12. 復帰後の給与回復タイミング
  13. 育休前後にやっておきたい資産形成
  14. 育休取得前チェックリスト
  15. FAQ——よくある質問
  16. まとめ

1. 教員の妊娠が分かったら——最初にやることリスト

管理職への報告と産休開始日の逆算

妊娠が判明したら、まず動くのは「いつ産休を開始するか」の確認だ。 公立教員の産休は法律と条例で守られているため、遠慮なく請求できる。

産前休暇の開始日は、出産予定日の8週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)が原則。 この日付をもとに、管理職と引き継ぎのスケジュールを組む。

「迷惑をかけるから報告を遅らせた」という話を同僚から聞いたことがある。 気持ちは分かるが、遅らせると準備期間が詰まって自分が一番つらい。 安定期に入ったら早めに話しておくほうが現実的だ。

共済組合への届け出タイミング

産休・育休に関する給付は、自動的には支給されない。 所属の共済組合(公立学校共済組合)へ請求書を提出して初めて動き出す。

届け出のタイミングは給付の種類によって異なるが、 産休に入ってから育休申請まで、共済組合への手続きが複数回発生する。 各手続きの期限を把握しておくことが大事だ。

最初にやることリスト(チェック形式)

タイミング やること
妊娠確認後できるだけ早く 管理職に報告・引き継ぎ計画の相談
安定期〜産休前 産休開始日・育休期間の希望を人事へ届け出
産休開始後 出産費・出産費附加金の共済組合への請求
育休開始時 育児休業手当金の請求書を共済組合へ提出
育休中 児童手当の申請、配偶者がいる場合は扶養・税申告の確認
復帰1〜2ヶ月前 保育園の状況確認、時短勤務・部分休業の申請

2. 産休・育休タイムライン——お金の流れを1枚で確認 {#h2-timeline}

「産休と育休で、お金がいつどう変わるか」を時系列で整理する。 民間と公立教員では給付の出所が違うため、この図を起点にしてほしい。

妊娠発覚
  │
  ▼
【産前8週(56日)】
  給与 満額支給
  ─────────────────────────────────────
  出産予定日
  ─────────────────────────────────────
【産後8週(56日)】←産前産後合計16週が「産休」
  給与 満額支給
  出産費+附加金55万円を共済組合に請求
  │
  ▼
【育休開始(子が生後112日目〜)】
  └ 育児休業手当金スタート
     ┌────────────────────────────────┐
     │ 0〜180日目 標準報酬月額×67%/月   │
     │ (非課税・共済掛金免除)            │
     └────────────────────────────────┘
          ↓ 181日目〜
     ┌────────────────────────────────┐
     │ 181日目〜 標準報酬月額×50%/月    │
     │ ※住民税は前年所得ベースで継続     │
     └────────────────────────────────┘
  │
  ▼
【子が1歳(手当金終了)】
  育休継続は可能(最大3歳まで)
  ただし1歳〜1歳6ヶ月・2歳への延長は不承諾通知が条件
  2歳〜3歳は手当金なし(無給)
  │
  ▼
【育休復帰】
  給与再開(時短の場合は按分)
  共済掛金再開・住民税は翌年から下がる

産休と育休でお金が変わるタイミングは「産後8週が終わった日」だ。 産前から数えると16週間は給与が止まらない。 育休に入った瞬間に初めて手当金に切り替わる、という流れを押さえておこう。


3. 産休(産前産後休暇)の制度と給付 {#h2-2}

公立教員の産休は「有給」である

これが民間との最大の違いのひとつだ。

民間会社員の産休中は、健康保険から「出産手当金」として標準報酬日額の2/3が支給される。 つまり、**給与は出ない(代わりに健保から補填される)**という構造。

一方、公立教員の産休中は、通常どおり給与が満額支給される。 産前8週・産後8週(合計16週・約112日)、給与が止まらない。 これは地方公務員法と各自治体条例によって保障されている制度だ。

「産休に入ると給与が2/3になる」と思い込んでいる先生もいる。 が、公立教員は産休中は丸々もらえる。

出産費・出産費附加金

出産時には、共済組合から以下の給付がある。

給付名 金額(目安) 内容
出産費(組合員本人の出産) 50万円 産科医療補償制度加入病院での出産の場合
出産費附加金 5万円 出産費に上乗せされる附加給付
合計 55万円 産科医療補償制度非加入の場合は48.8万円+附加金

この55万円は「直接支払制度」を使うことで、出産費用を病院と共済組合が直接精算できる。 窓口で立て替える金額を減らせるため、退院時の負担を抑えられる。

なお、出産費用が55万円を下回った場合は、差額を共済組合に請求できる。

産休中のボーナスは出るのか

産休中も在籍扱いのため、ボーナス(期末手当・勤勉手当)の基礎額は維持される。 ただし、勤勉手当については在籍実績に応じた按分が行われる自治体が多い。 産休開始直前の在籍日数が長ければ長いほど、カットは少ない。

育休中にボーナス按分がどう計算されるか、気になる方はこちらも参考に。

教員のボーナス(期末手当・勤勉手当)の金額と育休中の按分

具体的な按分の計算は自治体・人事担当によって異なるため、 管理職か所属教育委員会の担当窓口に直接確認するのが確実だ。


4. 教員の育児休業手当金——計算式と申請の仕組み {#h2-3}

「育児休業給付金」ではなく「育児休業手当金」

ここが、この記事で最も強調したい点だ。

ニュースや一般向けの記事で見る「育児休業給付金」は、雇用保険の制度だ。 民間の会社員はハローワーク経由でこれを受け取る。

公立教員は雇用保険に入っていない。 そのため、育休中に受け取るお金の出所がまったく違う。

公立教員に適用されるのは、共済組合の「育児休業手当金」。 公立学校共済組合(または各都道府県の地方公務員共済組合)が支払う。 申請先は学校を経由して共済組合へ。ハローワークには関係がない。

給付率は民間の育児休業給付金と同じに見えるが、 計算ベースになる「標準報酬月額」の算出方法や申請タイミングが異なる。 「ネットで調べた育休の情報」をそのまま当てはめると、計算がズレる。

給付率——180日まで67%、その後50%

育児休業手当金の給付率は以下のとおりだ。

期間 給付率
育休開始から180日目まで 標準報酬日額の67%
181日目以降 標準報酬日額の50%

「180日」というのは産後休暇(産後8週)が終わった日から数える。 産後休暇は別途カウントされるため、育休を1年取れば最初の約6ヶ月が67%、残りが50%になる。

計算式と標準報酬月額の考え方

1日あたりの育児休業手当金(180日以内)

標準報酬月額 ÷ 30 × 67%

1日あたりの育児休業手当金(180日超)

標準報酬月額 ÷ 30 × 50%

育児休業手当金は**暦日(土日含む)**で計算される。 民間の雇用保険とは異なり、「平日のみ」「実稼働日数」で割るわけではない。 1ヶ月(30日)なら、標準報酬月額の67%がそのまま1ヶ月分の支給目安になる。 計算が直感的にわかりやすい点が共済組合制度の特徴だ。

標準報酬月額とは何か

標準報酬月額は「毎月の給与・手当の総額をもとに決めた基準額」のことだ。 基本給だけでなく、地域手当・扶養手当・通勤手当・残業手当なども含まれる。 ただしボーナス(期末手当・勤勉手当)は含まれない。

公立学校共済組合の等級表に当てはめて決定される。 育休開始前の報酬をもとに決まるため、育休に入ったから標準報酬が下がることはない。

育休中の標準報酬月額は育休前の水準で据え置かれる。 これは給付額を守るための措置だ。

申請のタイミングと振込サイクル

育児休業手当金は、育休開始時に1回請求すれば自動で振り込まれるわけではない。 通常は2ヶ月に1回、請求書を提出して翌月に振り込まれる形が多い。

具体的な申請スケジュールは各支部によって異なる。 産休が終わったら早めに、所属の共済組合支部(または学校の事務担当経由)で確認するのがベストだ。

請求書類の概要

育児休業手当金の請求には「育児休業手当金請求書」を使用する。 提出ルートは「本人 → 学校(事務担当)→ 教育委員会 → 共済組合支部」が一般的だ。

書類名 提出タイミング
育児休業手当金請求書 育休開始後、2ヶ月ごとに提出
育休承認通知書(写し) 初回請求時に添付
延長の場合の不承諾通知書等 延長手続き時に追加

学校の事務担当者が様式を管理しているケースが多い。 育休に入る前に「どのタイミングで何を出せばいいか」を一度確認しておくと、 育休中に慌てなくて済む。


5. 2026年4月新設・育児休業支援手当金とは {#h2-shien}

競合上位の記事がまだ本文で解説していない制度だ。公立教員が見逃すには惜しすぎる。

何が変わったか

2026年4月1日から、公立学校共済組合に「育児休業支援手当金」が新設された。

通常の育児休業手当金(67%/50%)に上乗せして、最大28日分が追加支給される制度だ。 「共働き・共育て」を推進するために国が方針を打ち出し、共済組合が実装した形になる。

民間の「育児休業給付金の給付率アップ(最初の28日を80%に引き上げ)」とは別の制度だ。 公立教員に雇用保険の改正は適用されないため、混同しないよう注意してほしい。

支給額の計算式

育児休業支援手当金の1日あたりの支給額は次の計算式で算出される。

標準報酬月額 ÷ 22 × 13%

暦日ベースの通常手当金(÷30)とは計算ベースが異なる点に注意。 ÷22は「1ヶ月の所定勤務日数」を基準にしているため、1日あたりの単価が通常より高くなる。

年収500万円モデル(標準報酬月額34万円)で試算すると:

340,000 ÷ 22 × 13% ≒ 2,009円/日
2,009円 × 28日 ≒ 約56,000円

最大28日分で約5〜7万円の上乗せになる計算だ。 決して無視できる金額ではない。

対象者と主な要件

要件 内容
組合員の育休取得 子の出生後の対象期間内に14日以上の育休を取得
配偶者の育休取得 子の出生日から56日以内に14日以上の育休等を取得
上限日数 最大28日分
対象期間 子の出生後の一定期間(詳細は共済組合支部で確認)

「配偶者が育休を取れない場合」や「配偶者がいない場合」には要件が緩和されるケースもある。 細かい条件は所属の共済組合支部で必ず確認を。

どのケースで使えるか

1. 夫婦ともに公立教員

最も恩恵を受けやすいパターン。 2人ともが14日以上の育休を取得すれば、夫婦それぞれが支援手当金を受け取れる可能性がある。

2. 配偶者が民間勤務で育休取得可能

民間の育休(育児休業給付金の対象)でも配偶者要件を満たせる。 夫が2週間の育休を取ることで、妻(教員)が支援手当金を受け取れるケースに当てはまりやすい。

3. 男性教員が育休を取る

父親側の教員が14日以上育休を取り、配偶者も要件を満たせば上乗せ給付の対象になる。 「2週間だけ育休を取る」男性教員が増えているのは、この制度の後押しもある。

申請先

通常の育児休業手当金と同様、学校経由で共済組合支部へ提出する。 様式は通常の請求書とは別のものになるため、学校の事務担当者に「育児休業支援手当金の請求書類」を確認してほしい。

出典: 育児休業支援手当金——公立学校共済組合


6. 給付額シミュレーション——年収400/500/600万円ケース {#h2-4}

シミュレーションの前提

  • 公立教員・産後休暇終了後から育休1年取得と想定
  • 育休期間中:前半(180日)は67%、後半(残り185日)は50%
  • 標準報酬月額は年収から逆算した概算値を使用
  • 計算ベース:暦日(÷30)
  • ボーナスは含まず、月給ベースで算出

※あくまで目安。実際の支給額は共済組合の等級表・支部の運用・個別の手当内容によって異なる。 計算式は参考として活用し、正確な金額は共済組合に確認を。


ケース1:年収400万円の場合

30代前半・小学校教員のイメージ。 月給(手当含む)約28〜30万円、ボーナス年間約80〜90万円。

項目 金額(概算)
月給ベース標準報酬月額の目安 約28万円
標準報酬日額(÷30) 約9,333円
前半180日分(× 67%) 約112.5万円
後半185日分(× 50%) 約86.3万円
育休1年間の手当金合計(概算) 約198万円

月換算でいうと、前半は約18.8万円/月、後半は約14.0万円/月のイメージになる。

産休中は給与満額支給のため、産後8週間の給与は別途維持される。


ケース2:年収500万円の場合

30代後半・副担任から担任経験を経た教員のイメージ。 月給(手当含む)約33〜36万円。

項目 金額(概算)
標準報酬月額の目安 約34万円
標準報酬日額(÷30) 約11,333円
前半180日分(× 67%) 約136.7万円
後半185日分(× 50%) 約104.8万円
育休1年間の手当金合計(概算) 約241万円

月換算でいうと、前半は約22.8万円/月、後半は約17.0万円/月のイメージになる。


ケース3:年収600万円の場合

40代前後・経験年数が積み上がってきた教員のイメージ。 月給(手当含む)約40〜44万円。

項目 金額(概算)
標準報酬月額の目安 約41万円
標準報酬日額(÷30) 約13,667円
前半180日分(× 67%) 約164.9万円
後半185日分(× 50%) 約126.4万円
育休1年間の手当金合計(概算) 約291万円

月換算でいうと、前半は約27.5万円/月、後半は約20.5万円/月のイメージになる。


3ケースの比較表

年収(目安) 標準報酬月額 前半月換算(67%) 後半月換算(50%) 1年間合計(概算)
400万円 約28万円 約18.8万円 約14.0万円 約198万円
500万円 約34万円 約22.8万円 約17.0万円 約241万円
600万円 約41万円 約27.5万円 約20.5万円 約291万円

共済組合の育児休業手当金は暦日計算のため、民間の雇用保険方式(実稼働日数ベース)より計算がシンプルだ。 給与の半分以上は確保できるイメージで、ある程度の生活水準は維持できる。

住民税は前年の所得に対してかかるため、 育休1年目は「今年の手当金 + 前年度の住民税」という組み合わせになる点に注意。


7. 月別手取りシミュレーション——年収500万モデルで1年を追う {#h2-monthly}

年間合計の数字だけでは家計管理しにくい。 「何月にいくら入るか」を月単位で追えるよう、年収500万円モデルで1年分の推移を表にした。

前提条件

  • 年収500万円・標準報酬月額34万円
  • 産後8週(56日)を終えた翌月1日から育休開始
  • 育休開始月を「育休1ヶ月目」として計算
  • 手当金は非課税・共済掛金は免除
  • 住民税は前年所得ベースで月約1.5〜1.8万円前後継続(自治体差あり)
  • ふるさと納税の限度額は「育休年は給与収入ベースで大幅減」になるため要確認
時期 給付フェーズ 月間手当金(概算) 控除(住民税目安) 手取り目安
産前8週 給与満額 約34万円 通常の天引き 約26〜28万円
産後8週 給与満額 約34万円 通常の天引き 約26〜28万円
育休1〜2ヶ月目 67%(前半) 約22.8万円 約1.5万円 約21.3万円
育休3〜4ヶ月目 67%(前半) 約22.8万円 約1.5万円 約21.3万円
育休5〜6ヶ月目 67%(前半) 約22.8万円 約1.5万円 約21.3万円
育休7〜8ヶ月目 50%(後半) 約17.0万円 約1.5万円 約15.5万円
育休9〜10ヶ月目 50%(後半) 約17.0万円 約1.5万円 約15.5万円
育休11〜12ヶ月目 50%(後半) 約17.0万円 約1.5万円 約15.5万円

最大の落とし穴は育休7ヶ月目のフェーズ切り替えだ。

67%から50%に切り替わる月から月収が約5万円ほど落ちる。 この段差を事前に知っておくだけで、家計の組み方がまったく変わる。

住民税については前年所得ベースのため、育休1年目は毎月の徴収が続く。 年収500万円の場合、住民税の年額は概ね15〜20万円前後(扶養・控除状況による)。 月1.5万円前後が普通徴収で振込書として届くと思って備えておくといい。


8. 育休中の手取り変化と家計設計 {#h2-5}

実際の手取りはいくらになるのか

育休中は給与がゼロになり、代わりに育児休業手当金が入る。 給付金は雇用保険ではなく共済組合から支払われるため、所得税は非課税だ。

収入の種類 税金
育児休業手当金 非課税(所得税・住民税の対象外)
産休中の給与 課税(通常の給与と同様)

育休中の手取り額のポイント:

  • 手当金自体は非課税なので、手当金の全額が手元に残る
  • ただし住民税は「前年の所得」に対してかかる。育休1年目は住民税の支払いが続く
  • 2年目以降は住民税が大幅に下がる(当年収入がほぼゼロのため)

住民税の落とし穴——年収500万なら年間15〜20万円が来る

育休中の家計で最も見落とされがちなのが住民税だ。 本文で早めに説明しておく。

住民税は前年の所得をもとに計算されるため、育休中も徴収が止まらない。 年収500万円の教員なら、育休1年目の住民税は年間15〜20万円前後が目安だ。 月換算で1.3〜1.7万円。これが毎月振込書として届く。

育休中は給与天引きができないため、多くの自治体で**普通徴収(自分で振り込む方式)**に切り替わる。 振込書が突然届いて驚く先生が毎年いるが、これは想定内として備えておいてほしい。

育休開始前に「育休中の住民税総額」を試算して、現金口座に取り分けておくことを強く勧める。 最低でも20万円は別口座にプールしておけば慌てずに済む。

年収別の住民税目安(ふるさと納税の限度額もここと連動する)については、別記事で詳しく解説している。

ふるさと納税の育休年の上限変動について——教員のふるさと納税ガイド

元小学校教員として周りの先生を見ていて、産前に住民税の準備をしていなかった先生が育休7〜8ヶ月目(手当金が50%になるタイミング)に家計が苦しくなるパターンが多かった。 住民税+手当金の減少が重なる月は、あらかじめ計算して備えておいてほしい。

育休中の家計設計——最低限の生活費を先に固める

育休に入る前に、月の固定支出を洗い出しておくことを強く勧める。

チェックすべき固定支出:

  • 住宅ローン/家賃
  • 各種保険料(学資保険含む)
  • 自動車関連費
  • 教育費(上の子がいる場合)
  • 通信費・光熱費

育休1年目の実収入(手当金)をもとに、収支のシミュレーションを一度作っておくと、 「あといくら貯金を取り崩すか」の見通しが立つ。

育休前に「最低3ヶ月分の生活費相当の現金」を別口座に確保しておければ、心理的な余裕がまったく違う。

自分のケースで「いくら足りないか」を試算したいなら

数字を自分のケースに落とし込むのは、教員一人では情報源が点在しすぎて時間がかかる。 無料のFP相談を一度使ってしまうのが早い。

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9. 育休中の社会保険料(掛金)免除 {#h2-6}

共済組合の掛金が免除される

公立教員の社会保険に当たるのは「共済組合の掛金」だ。 育休中はこの掛金が免除される。

免除の対象期間は、育休を開始した月の翌月から、育休が終了した翌月の前月まで。 つまり、育休期間中は実質ゼロ負担で共済組合の加入資格が維持される。

月3〜5万円程度の掛金が免除されると、実質的な収入補填にもなる。 育休中の手取りは「手当金 − 住民税 + 掛金免除分」という計算になる。

項目 育休中の扱い
共済組合掛金(健康保険相当) 免除
共済組合掛金(厚生年金相当) 免除
住民税 徴収継続(前年所得ベース)
育児休業手当金 非課税で全額手取り

年金額への影響——免除期間中も算入される

掛金が免除されても、その期間の標準報酬月額は「育休前の水準」で保険料納付済みとして算入される。 年金額の計算において、育休期間中がゼロ扱いになることはない。

これは雇用保険の育児休業給付金(民間)でも同様の仕組みになっているが、 共済組合の場合も同じ恩恵がある。

2つの新制度——2025年と2026年の改正を整理

育休に関連して、2025〜2026年に新制度が2つ創設された。混同しやすいため整理しておく。

2025年4月〜「育児時短勤務給付金」(雇用保険側)

育児のための時短勤務中に、時短勤務前賃金の10%相当が支給される制度。 ただし、これは雇用保険側の新制度だ。 公立教員は雇用保険対象外のため、直接適用されない。

公立教員の時短勤務中については、各都道府県の条例や給与規定で「時短勤務中の給与計算方法」が定まっている。 時短勤務に切り替えた場合の給与がどう計算されるかは、復帰前に人事担当者に確認しておきたい。

2026年4月〜「育児休業支援手当金」(公立学校共済組合側)

こちらが公立教員に直接関係する新制度だ。 Section 5に詳しく記載しているため、そちらを参照してほしい。


10. 産休育休中にやるべきお金の手続き {#h2-7}

1. 配偶者の扶養への切り替え(年収が大幅に下がる場合)

育休中の年収が130万円未満になる場合、配偶者の社会保険の扶養に入ることで 共済組合の掛金負担をさらに減らせる可能性がある。

ただし、育休中でも手当金の年間合計が130万円を超えるケースは多い。 年収500〜600万円クラスの教員が1年育休を取ると、手当金合計が200万円超になることもある。 このケースでは扶養には入れない。

130万円未満になるのは、育休を長期(2〜3年)取得する場合や、 2年目以降の手当金が終了した後に延長している期間などが対象になりやすい。

配偶者の職場の社会保険事務担当に確認するのが確実だ。

2. 児童手当の申請

出産後15日以内に居住市区町村に申請する必要がある。 申請が遅れると、遅れた分の給付が受けられなくなるため注意。

2024年10月から児童手当が拡充された。

  • 支給対象が高校生年代(18歳)まで延長
  • 第3子以降は月3万円に増額

育休中の申請手続きは市区町村の窓口または電子申請で行う。

3. 医療費控除の準備(出産費用)

出産に関わる費用は医療費控除の対象になるものが多い。 産休・育休中でも、確定申告で医療費控除を申請できる。

医療費控除の対象となる主な費用:

費用 対象/非対象
分娩・入院費 対象
自然分娩の入院費 対象
帝王切開の入院費 対象
妊婦健診の自己負担分 対象
不妊治療費 対象
里帰り交通費 対象(公共交通機関のみ)
出産費(共済組合から受け取った55万円) 差し引く

出産費・附加金として55万円を受け取った場合は、医療費総額からその分を差し引いた金額が控除対象になる。

領収書は必ず保管。 産院での領収書、健診費の領収書は年間まとめて保管しておけばいい。

教員の節税完全ガイドはこちら——医療費控除・配偶者控除の活用法

4. 配偶者控除・配偶者特別控除の確認

育休中の収入が大幅に下がる場合、配偶者(パートナー)の年末調整で「配偶者控除」または「配偶者特別控除」が使える可能性がある。

育児休業手当金は「所得」にカウントされないため、手当金を受け取りながら配偶者控除の対象になるケースもある。

ただし条件は複雑なため、パートナーの職場の年末調整担当か税務署・税理士に確認するのが安全だ。

5. 学資保険の加入タイミング

子どもが生まれたタイミングで加入する人が多い保険が学資保険だ。 一般に、加入は早いほど返戻率が高くなる傾向がある。

育休中で家計が気になる時期だが、学資保険は長期的な貯蓄として有効なオプションのひとつ。 教育費の一部を貯蓄性の高い保険でカバーする考え方は、公教育に携わる先生にも向いている。

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11. 復帰後の働き方選択肢 {#h2-8}

時短勤務(育児短時間勤務)

育休から復帰した後、子どもが小学校就学前まで「育児短時間勤務」を取得できる。

公立教員の場合は地方公務員育児休業法に基づく制度で、 勤務時間を週15時間45分〜30時間45分の範囲で短縮できる。

時短勤務中の給与は実際に働いた時間に応じて計算される。 フルタイムの70〜80%相当になるケースが多い。

時短勤務の申請は育休終了前に行う必要があるため、 復帰1〜2ヶ月前から管理職に相談しておくのが現実的だ。

部分休業

部分休業は、1日の勤務時間の一部を育児のために休む制度。 子どもが小学校3年生修了まで利用できる。

部分休業を取った時間分は給与から控除される。 時短勤務との違いは、部分休業は「勤務時間の一部を毎日休む」ものであり、 申請単位が時短勤務よりも柔軟なケースが多い。

朝の送り迎えに合わせて「始業を1時間遅らせる」「終業を1時間早める」という使い方ができる。

育休延長——1歳→1歳6ヶ月→2歳→3年

公立教員の育休は最長で子が3歳になるまで取得できる。

ただし、育児休業手当金の支給は子どもが1歳になるまでが基本。 1歳6ヶ月・2歳への延長(保育所不承諾が条件)でも手当金の支給延長は可能だが、 3歳まで育休を延長した場合、2歳以降の手当金はない。

パパ・ママ育休プラス制度を使えば、父母ともに育休取得の条件を満たした場合、 手当金の支給が1歳2ヶ月まで延長される。

育休期間 手当金支給
〜子が1歳まで 支給あり
1歳〜1歳6ヶ月(延長) 不承諾等の条件あり・支給継続
1歳6ヶ月〜2歳(延長) 不承諾等の条件あり・支給継続
2歳〜3歳(延長) 手当金なし(育休は取れるが無給)

男性教員のパパ育休——育児休業支援手当金の最大活用

男性教員が育休を取るケースが増えている。 公立教員の場合、産後パパ育休(出生時育児休業)に相当する制度は「育児休業」として取得する形になる。

夫婦どちらかまたは両方が公立教員の場合、 2026年4月の育児休業支援手当金の要件(両親ともに14日以上取得)を満たせば上乗せ給付が受け取れる。

男性教員が育休を短期間でも取ることで、

①育児休業支援手当金の受給要件を満たす ②パパ・ママ育休プラスで母親の手当金支給が1歳2ヶ月まで延長される

という2つのメリットが同時に得られる可能性がある。

「育休を取りにくい雰囲気」は依然として残るが、制度自体は男女ともに利用できる。 学校長・教育委員会への申請手続きは女性教員と同じ流れだ。

保育園問題——4月入所のタイミング調整

公立教員の育休あるあるとして、「4月に復帰しないと保育所が見つかりにくい」という問題がある。

認可保育所の一斉募集は多くの地域で10〜11月。 4月入所を目指す場合は、秋頃から申し込みを進める必要がある。

育休の終了日を「4月1日に合わせる」ために、 誕生月によっては育休期間を少し延長して調整するケースも多い。

保育所入所の申し込みと育休延長手続きは同時並行で動く。 早めに保育所情報を集め、市区町村の担当窓口と話しておくのが重要だ。


12. 復帰後の給与回復タイミング {#h2-9}

復帰直後は手取りが「意外と少ない」

復帰直後の給与明細を見て「あれ、こんなに少ないの?」と感じる先生は多い。 理由はいくつかある。

1. 住民税の増額

育休中は収入が少なかったため、翌年の住民税は低くなっていた。 しかし復帰翌年からは給与ベースの住民税が戻ってくる。 これが「手取りが減ったように感じる」最大の原因だ。

2. 共済掛金の再開

育休中は免除されていた掛金が復帰月から再開される。 月3〜5万円分が再び天引きされる。

3. 時短勤務中の給与は按分

フルタイム復帰ではなく時短勤務で戻る場合、 給与は勤務時間に応じて按分される。 いきなり産休前の給与水準には戻らない。

号俸(昇給)への影響

育休中の期間は、昇給の計算に影響する自治体がある。 従来は育休期間が号俸の加算に含まれないケースがあったが、 近年は法改正で改善されている。

具体的な扱いは自治体によって異なるため、 復帰前に人事担当者に「育休期間中の号俸はどう扱われるか」を確認しておくといい。

給与がほぼ戻るまでのタイムライン

タイミング 給与の状態
復帰直後〜1年目 時短割引 + 住民税増加 = 産休前より低めの可能性あり
復帰2年目 住民税が復帰後の収入ベースに安定。号俸昇給も反映され始める
フルタイム復帰後 ほぼ産休前の水準に回復。経験年数が加算されていれば超える場合も

13. 育休前後にやっておきたい資産形成 {#h2-10}

NISAの積立設定——育休中でも止めないという選択肢

NISAの積み立ては、育休中でも継続できる。 証券口座は育休中に解約する必要はない。 むしろ、収入が少ない時期こそ「安い時に積み立てられるチャンス」という側面がある。

ただし、家計が厳しい場合は積立額を一時的に下げるのが合理的。 月5,000円でも継続した方が、停止して後で再開するより心理的に楽なケースが多い。

育休中のNISA積立継続について、設定変更の方法や銘柄の選び方はこちらで詳しく解説している。

教員のNISA完全ガイド——育休中も積み立てを止めない方法

育休前にやること

  • 積立額を「育休中でも無理なく出せる額」に一時的に下げる設定変更
  • ボーナス払いを止める(育休中はボーナスが減るため)

復帰後にやること

  • 給与が安定してきたタイミングで積立額を戻す
  • 育休中に積み立てできなかった分を意識してペースアップする必要はない。淡々と続ければいい

NISA口座はまだ開設していない方へ

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iDeCoの取り扱い——育休中は掛金拠出停止が可能

iDeCoは育休中に掛金の拠出を停止できる。 停止したからといってそれまでに積み立てた資産が減るわけではない。

育休中は収入が少ないため、iDeCoの掛金控除のメリットが薄れる。 所得控除は「課税所得がある」前提で効いてくるからだ。

育休中は拠出を一時停止して、復帰後に再開するのが一般的だ。

掛金の停止・再開は書類手続きが必要で、 加入している金融機関(SBI証券・楽天証券など)に問い合わせると対応してくれる。

iDeCoの仕組みと公立教員の掛金上限については詳細記事で

育休前後の保険見直し

子どもが生まれたタイミングは、保険を見直す最大の節目のひとつだ。 「子どもができたから保険に入らないと」というより、 「今の保険が家族構成に合っているか確認する」という視点で見直すのが正確だ。

確認すべきポイント:

  • 生命保険の死亡保障額は今の家族構成で必要な金額か
  • 医療保険は産後の入院リスクをカバーしているか
  • 育休中に保険料の負担が重くなりすぎないか

育休に入る前に一度、加入中の保険の証券を出して確認するだけでも十分だ。

教員向けの保険見直しガイドはこちら——何を残して何を削るか

出産準備——産前に揃えておきたいもの

産前の慌ただしい時期に買い物をしなくて済むよう、早めに準備を進めておくと楽だ。

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14. 育休取得前チェックリスト {#h2-checklist}

コピペして使ってほしい。 育休に入る前に確認すべき手続きを一覧にした。

妊娠報告・引き継ぎ

  • 管理職(校長・教頭)への妊娠報告を行った
  • 産前休暇の開始予定日を管理職・人事担当に伝えた
  • 引き継ぎ資料の作成スケジュールを決めた
  • 学年主任・学校事務への連絡ルートを確認した

共済組合への申請書類

  • 産前産後休暇の承認申請を行った
  • 出産費・出産費附加金の請求書類を確認した(出産後に提出)
  • 育児休業の承認申請書を提出した
  • 育児休業手当金請求書の様式を事務担当から受け取った
  • 育児休業支援手当金の要件と書類を事務担当に確認した(2026年4月新設)
  • 手当金の振込先口座を共済組合に登録した

産後の手続き(出産後に動く)

  • 出産後15日以内に児童手当を市区町村に申請した
  • 出産費の直接支払制度を病院と確認した
  • 住民税の普通徴収切り替え通知が届いているか確認した
  • 育休中の住民税相当額を別口座に確保した(年収500万なら15〜20万円目安)

資産・保険

  • NISAの積立額を育休中の収入に合わせて変更した
  • iDeCoの拠出停止手続きを行った(育休中は停止推奨)
  • 生命保険・医療保険の保障内容が家族構成に合っているか確認した
  • 学資保険の検討・加入を行った(加入は早いほど有利)

ふるさと納税の注意点

育休年は給与収入が大幅に下がるため、ふるさと納税の上限額が例年より低くなる。 前年ベースで申し込みを続けると「控除しきれず実質負担が増える」ケースがある。 育休に入る年のふるさと納税は、産休に入る前の時点で限度額を再計算してから申し込むこと。

ふるさと納税の育休年の上限計算——教員向け詳細ガイド


15. FAQ——よくある質問 {#h2-11}

Q1. 公立教員は「育児休業給付金」と「育児休業手当金」どちらが適用されますか?

A. 公立教員には「育児休業手当金(共済組合)」が適用されます。

民間の会社員が受け取る「育児休業給付金」は雇用保険の制度です。 公立教員は雇用保険に加入していないため、育休中のお金は**公立学校共済組合(または地方公務員共済組合)から支給される「育児休業手当金」**が対象になります。 申請先もハローワークではなく、学校経由で共済組合支部になります。

Q2. 産休中も給与は出ますか?

A. 公立教員は産前産後休暇中も給与が満額支給されます。

民間の場合は産休中に健康保険の出産手当金(標準報酬日額の2/3)が支給されますが、 公立教員は産前8週・産後8週の計16週間、通常の給与がそのまま支払われます。 給与が2/3になるのは育休に入ってからです。

Q3. 育休中に住民税は払い続けなければいけませんか?

A. はい、住民税は育休中も支払い義務があります。

住民税は前年の所得をもとに計算されるため、育休中でも前年度の収入に基づいた住民税が課税されます。 育休中は給与天引きができないため、多くの自治体では普通徴収(自分で振り込む方式)に切り替わります。 振込書が届いたときに備えて、育休前に資金を確保しておくことをお勧めします。

Q4. 育休中もNISAの積み立ては続けられますか?

A. 続けられます。ただし積立額の見直しを推奨します。

NISA口座は育休中でも閉じる必要はなく、積み立ても継続できます。 ただし収入が減るため、「育休中でも無理なく出せる額」に一時的に下げる設定変更をしておく方が家計管理がしやすいです。 月5,000円でも継続する方が、停止・再開を繰り返すよりも長期的には効果的です。

Q5. 育休を2年以上取った場合、育児休業手当金はずっともらえますか?

A. いいえ。育休自体は3年まで取れますが、手当金は基本的に子が1歳になるまでです。

公立教員は地方公務員育児休業法により子が3歳になるまで育休を取得できます。 しかし、育児休業手当金の支給は子が1歳になるまでが基本です。 保育所に入れない等の理由がある場合は1歳6ヶ月・2歳まで延長可能ですが、 2歳以降の育休期間は手当金なしの無給期間になります。 育休期間と手当金の支給期間は別物として考えてください。

Q6. 育休中の期間は年金にカウントされますか?

A. はい。育休中の共済掛金免除期間も、年金額の計算に算入されます。

育休中は共済組合の掛金が免除されますが、その期間は「育休前の標準報酬月額をもとに保険料を納めた」とみなして年金が計算されます。 育休でキャリアを空けた分だけ年金が減るわけではありません。 この点は民間の社会保険でも同様の仕組みです。

Q7. 育休復帰後に時短勤務を取ると給与はどう変わりますか?

A. 勤務時間に応じた按分になるため、フルタイムより低くなります。

公立教員の時短勤務中は、フルタイムの給与を勤務時間の比率で按分した額が支払われます。 例えば、フルタイム7時間45分のところを5時間勤務にした場合、 給与はおよそ64%前後の水準になります。 時短勤務中の具体的な計算方法は各都道府県の給与条例によるため、 復帰前に所属教育委員会の人事担当者に確認することを推奨します。

Q8. 育児休業支援手当金とは何ですか?いつから始まりましたか?

A. 2026年4月1日に公立学校共済組合で創設された新制度です。

通常の育児休業手当金に上乗せして最大28日分が追加支給される制度です。 組合員と配偶者がともに14日以上の育休を取得することが主な要件です。 計算式は「標準報酬月額 ÷ 22 × 13%」で、年収500万円モデルで最大約5〜6万円の上乗せになります。 詳細はSection 5「2026年4月新設・育児休業支援手当金とは」を参照してください。


コラム:同僚から聞いた産休・育休のリアル

元小学校教員として働いていたとき、産休・育休を取った同僚から話を聞く機会が何度かあった。

共通して言っていたのが「制度は思ったよりちゃんとある」ということだ。 育休中の給与がゼロになると思い込んで焦っていた先生が、 実際に計算してみたら月18〜22万円の手当金が出ると分かってほっとした、という話も聞いた。

一方で「手続きが複数回あって、何の書類を出したか分からなくなった」という声も多かった。 共済組合への請求は2ヶ月ごとが多く、産休・育休の間に書類を何枚も出す。 学校の事務担当者と早めにコミュニケーションを取っておくことで、漏れは防ぎやすくなる。

もうひとつよく聞いたのが「罪悪感」の話だ。 4月の忙しい時期や学期途中に産休に入る場合、 「クラスに迷惑をかけている」と感じて精神的につらくなったという先生がいた。

制度を使うことは権利だ。 引き継ぎを丁寧にやって、安心して休むことが、長く教育現場に携わることにもつながる。 罪悪感を抱える必要はない——とはっきり言いたい。


復帰後の家計を「数字」で見たいなら一度プロに相談

ここまで読んでも「自分のケースだとどうなるか」が見えない場合、無料のFP相談を一度受けてしまうのが結局いちばん早い。 復帰後の手取り・住民税・育児費用・将来の教育費まで含めた一覧表をその場で作ってもらえる。

※上記リンクはアフィリエイト(PR)です。相談・登録は無料で、加入前提の相談ではありません。


まとめ {#h2-12}

公立教員の産休・育休のお金のポイントをまとめる。

産休中

  • 給与は満額支給(民間との最大の違い)
  • 出産費+附加金55万円を共済組合に請求できる

育休中

  • 給付の出所は共済組合(ハローワークではない)
  • 計算式:標準報酬月額 ÷ 30 × 67%(180日まで)・÷ 30 × 50%(それ以降)
  • 暦日計算のため月30日で割り算する(土日込み)
  • 非課税なので手当金の全額が手元に残る
  • 共済掛金は育休中免除。年金額への影響もなし

2026年4月からの新制度(育児休業支援手当金)

  • 通常の手当金に上乗せで最大28日分が追加支給
  • 計算式:標準報酬月額 ÷ 22 × 13%(通常の÷30より有利な計算ベース)
  • 年収500万円モデルで最大約5〜6万円の上乗せ
  • 両親ともに14日以上の育休取得が主な要件
  • 夫婦ともに公立教員のケースや配偶者が育休を取れる場合は必ず確認を

手続き面

  • 育児休業手当金は自動支給されない。請求書の提出が必要(2ヶ月ごと)
  • 住民税は育休中も払い続ける。年収500万なら年15〜20万円を別口座に確保
  • 医療費控除・児童手当・配偶者控除など、育休中に動ける手続きは複数ある

復帰後

  • 復帰直後は時短割引+住民税増加で手取りが想定より低くなることがある
  • 給与がフル回復するのは復帰から1〜2年かかる見込みで考えておく

育休中の家計は「制度をフルに使う」ことで思ったより持つ。 まず制度を正確に知って、そのうえで手続きを漏らさず動けば、 お金の不安は大幅に減らせる。


次の一手

長文を読んでもらったついでに、育休中・復帰後の家計を1分で確認できる無料診断ツールを置いておく。


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不安が解消しないまま休むより、制度を理解してから休む方が、育休の質が変わる。


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参考・出典