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結論:公立教員でも条件次第で月3〜5万円は現実的

オンライン家庭教師は、教員が副業として選べる数少ない「本業の延長戦」だ。

地方公務員法38条の兼業許可さえ通れば、在職中でも動ける。 時給2,000〜5,000円の相場で週5〜8コマ入れれば、月3〜5万円は普通に届く。

ただし「許可の取り方を知らずに始めた」「確定申告を甘く見た」という失敗パターンが繰り返されている。 この記事では手順を一本化して伝える。


なぜ教員にオンライン家庭教師が合うのか

副業の選択肢はたくさんある。 ブログ・動画編集・プログラミング・Webライター……どれも最初の1年は稼げないか、専門スキルの習得期間が必要だ。

オンライン家庭教師が違うのは、教員免許と教壇経験がそのまま商品になる点にある。

理由1:スキルの習得コストがゼロに近い

授業計画・板書・口頭説明……毎日やってきたことをそのまま画面越しにやるだけだ。 使うツールはZoomやGoogle Meetで、使い慣れていなくても数回で慣れる。 「副業を始めるための勉強」がほぼ要らない。

理由2:指導要領・入試傾向への理解が競合に勝る

一般の大学生講師や社会人講師は、現行の学習指導要領改訂の中身や都道府県別の入試傾向を体系的に知らないことが多い。 在職教員はその情報をリアルタイムで持っている。 特に小学校・中学校・高校教員それぞれに、対応できる学年帯の強みがある。

理由3:働く時間を完全にコントロールできる

対面の塾講師バイトと違い、オンラインなら自宅から自分の空き時間に入れられる。 夕方17時台・土曜の午前中・長期休暇中……いつ入れるかは自分次第だ。 繁忙期(成績処理・年度末)は入れず、夏休みに集中する、という調整も自由だ。


公立教員が動く前に必ずやること:兼業許可申請

公立学校の教員は地方公務員なので、地方公務員法第38条の制約がある。

職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営み、若しくはこれらの企業の事業に従事してはならない。

ざっくり言うと「任命権者(都道府県・政令市教育委員会)の許可なしに営利活動をしてはいけない」ということだ。

家庭教師は**自営業(自分で報酬を受け取る形態)**として扱われるため、許可申請が必要になる。

2026年4月から変わったこと

2026年4月1日施行の地方公務員法改正で、職員の知識・技能を活かした自営に関する許可基準が明文化された。 教員が専門性を活かす家庭教師業は、この「知識・技能を活かした自営」に該当するため、従来より許可が通りやすくなった自治体もある

申請先と流れ

  1. 学校長へ事前相談(管理職を通すのが慣例)
  2. 所管の教育委員会の服務担当課へ申請書提出
  3. 許可または条件付き許可の通知を受ける(審査期間:概ね1〜2週間)
  4. 許可通知書を受け取ったら活動開始

申請のタイミングは開始の1週間前が目安とされている。 年度初めに「年間を通じた自営許可」として申請する自治体も増えているので、服務担当に確認してみるといい。

申請書に書く主な項目

項目 記載例
兼業の種類 オンライン家庭教師(自営)
兼業先の名称 〇〇(プラットフォーム名)を利用した個人指導業
業務の内容 小・中・高校生への学習指導(オンライン)
従事する時間 平日17〜19時、土曜午前中(週〇〇時間以内)
報酬の予定額 月〇〇円程度

職務遂行に支障が出ないことが許可の条件になるため、「週〇時間以内」という上限を具体的に書くのがポイントだ。 申請書の様式は各教育委員会のサイトか服務担当に問い合わせると取り寄せられる。

許可が下りない主なケース

  • 申請内容が「生徒を本業(勤務校)の児童・生徒に限定している」場合(利益相反)
  • 副業の時間が過大で職務遂行への支障が疑われる場合
  • 同一の生徒・保護者との金銭的関係が生じる場合

勤務校の児童・生徒は絶対に指導しないという前提で申請すると話がスムーズに進む。


私立教員・常勤講師・非常勤の場合

公立教員と違い、私立学校の教員は地方公務員法の対象外だ。

ただし、就業規則に副業禁止・制限の条項がある学校は多い。 まず学校の就業規則を確認し、副業に関する条項を読む。

確認するべきポイントは3つ。

  1. 副業・兼業の「禁止」か「許可制」か「自由」か
  2. 許可制の場合の申請ルートと担当窓口
  3. 学校名・生徒情報の外部漏洩禁止規定(個人情報保護)

就業規則に明記がない場合でも、管理職に一言相談しておくのが無難だ。 「黙ってやってバレた」より「事前に確認済み」の方が後のトラブルを防げる。

非常勤講師や産育休中の場合は制約が緩いケースが多いが、自治体・学校によって差があるので服務担当への確認は必須だ。


プラットフォーム比較(2026年5月時点)

オンライン家庭教師のプラットフォームは複数あるが、教員が副業として使うなら自分で時給を設定できる自立型が向いている。

プラットフォーム 時給の設定 手数料 特徴
マナリンク 自分で設定(目安2,500〜5,000円) 売上の30%〜 プロ講師多数・審査通過率約18%
家庭教師ファースト 平均2,421円(会社設定) なし(時給直受け) 登録後に生徒紹介型・在宅対応あり
オンライン家庭教師e-Live 要問い合わせ 難関大学現役生・元教え子紹介型

マナリンク(教員向けとして最推奨)

審査通過率は約18%と厳しいが、審査を通ればプロ講師として高単価で募集できる。 教員免許保持者・元教員は審査で有利とされており、「教員免許あり」「授業指導経験〇年」を明記することで通過率が上がる。

手数料は売上の30%〜だが、時給を自分で3,000〜5,000円に設定できるので手残りは十分確保できる。 時給3,500円設定なら手取りは2,450円。週5コマ(1コマ60分)で月4.9万円の手残りになる。

家庭教師ファースト

会社が時給を設定するタイプで、平均2,421円(2024年11月時点)。 生徒とのマッチングは会社経由で、生徒が入り次第連絡が来る受動型の仕組みだ。 手数料なしで直接受け取れるのが特徴で、在宅(オンライン)にも対応している。

プラットフォームを使わず個人契約にする場合

慣れてきたら「マナリンクで実績を積んだあと個人契約に移行」という教員講師も多い。 ただし個人契約は生徒獲得・スケジュール管理・入金確認・トラブル対応がすべて自分持ちになる。 最初からその負荷を持つ必要はなく、最初の1年はプラットフォーム経由で動くのが現実的だ。


時給相場と月収シミュレーション

教員がオンライン家庭教師をする場合の時給帯は2,000〜5,000円が現実的な範囲だ。

時給は担当学年・科目・指導実績・プラットフォームの設定方式によって変わる。

条件 目安時給
小中学生・一般科目(初期) 2,000〜2,500円
中高生・受験対応(経験積み後) 2,500〜3,500円
高校生・難関受験・専門科目 3,500〜5,000円
プロ講師として実績あり 5,000円〜

月収シミュレーション(週5コマ・60分/コマの場合)

時給設定 週5コマの月収(20コマ/月) マナリンク手数料30%引後
2,000円 40,000円 28,000円
3,000円 60,000円 42,000円
3,500円 70,000円 49,000円
5,000円 100,000円 70,000円

週5コマというのは、平日に1コマずつ夕方に入れるイメージだ。 授業後18時から1コマ入れれば、追加の移動時間なしに自宅で完結する。

月3〜5万円の現実的ラインは、時給3,000〜3,500円×週5コマのゾーンだ。


確定申告と住民税の落とし穴

副業で稼いだら税務処理が必要になる。 ここを甘く見て後から大慌てするパターンが多いので、先に整理しておく。

確定申告が必要になるライン

副業の所得(収入−経費)が年間20万円を超えたら確定申告が必要になる。

オンライン家庭教師で計算可能な経費は少ないが、以下は算入できる場合がある。

  • 指導用の参考書・問題集の購入費
  • Wi-Fi・通信費の業務使用割合分
  • Webカメラ・マイクなどの機材費(業務割合分)

年収計算は所得ベースなので、経費をしっかり記録しておくことで申告額を抑えられる。

住民税「普通徴収」の選択が重要

確定申告の書類には「住民税の徴収方法」を選ぶ欄がある。

ここで**「自分で納付(普通徴収)」を選ぶと、副業分の住民税が本業の給与から天引きされず、自分で納付書で払う形になる**。

「特別徴収」のままにしておくと副業分も合算されて本業の職場に住民税の変更通知が届き、副業が発覚するリスクが上がる。

ただし、すべての自治体が普通徴収を受け付けるわけではない。 自治体によっては「給与所得者の副業分は特別徴収が原則」という取り扱いをしているところもあるため、確定申告前に市区町村の税務課に確認しておくのがベターだ。

年20万円以下の場合も住民税申告は必要

「副業収入が20万円以下だから申告不要」という誤解が広まっているが、これは所得税の申告が不要というだけだ。

住民税の申告は別途必要なので注意してほしい。 確定申告をしていれば住民税も自動的に処理されるが、確定申告をしない場合は市区町村に住民税の申告が必要になる。

確定申告ソフトで早めに管理を始める

収入が年20万円に近づいてきたら、早めに確定申告ソフトを入れておくと後が楽だ。

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マネーフォワード クラウド確定申告は、副業の収入と経費を入力しておくだけで確定申告書類が自動生成される。 年末にまとめてやると大変なので、指導料が入金されるたびに記録する習慣をつけると楽だ。


教員ならではの強みを「売り文句」にする

プラットフォームでは、プロフィール・指導コース説明で自分を売り込む必要がある。 「元大学生家庭教師」と同じ土俵で戦うのではなく、教員特有の強みを前に出すことで単価と指名率が上がる。

訴求文例:小学校教員の場合

「現役の小学校教員(教職〇年目)として、現行の学習指導要領に基づいた指導を行っています。低学年の"つまずきやすいポイント"を熟知しており、学校の授業についていけなくなる前に土台を固めることが得意です。漢字・計算・作文のどの単元でも、教科書に沿ったピンポイントの対応が可能です。」

訴求文例:中学校教員の場合

「中学校数学の現役教員です。内申点に直結する定期テスト対策と、高校入試を見据えた基礎固めを両立して指導します。近年の入試傾向の変化(思考力・判断力を問う問題の増加)も把握しており、パターン暗記に頼らない指導を心がけています。」

訴求文例:高校教員の場合

「高校英語の現役教員として、共通テスト・英検・大学個別入試の出題傾向を常に把握しています。授業内で実際に使っている読解テクニックと語彙強化の方法を、そのまま家庭教師の場に持ち込んで指導します。」


退職後のフリーランス展開ルート

在職中の副業経験は、退職後のキャリアへの橋渡しになる。

オンライン家庭教師を副業として3〜5年続けると、以下のような資産が積み上がる。

  • 生徒・保護者との信頼関係(継続指導)
  • 担当科目・学年のプロ実績(レビュー・口コミ)
  • 教材・指導計画のストック

これを元に退職後に「フリーランス家庭教師」として独立する教員は少なくない。 プラットフォーム経由から個人契約に移行し、月30〜50万円に持っていくルートは実例として存在する。

また、オンライン家庭教師の経験は「教育系YouTubeチャンネル」「教員向けオンライン講座の講師」「教員採用試験の指導」など、別の収益化ルートへの転用も効く。

退職を検討している場合は、副業を続けながら収入実績を積み上げ、「副業月収がある程度見えてきたら退職」という順序が安全だ。

転職・独立の具体的な収入比較については、ピラー記事「教員のスキルアップ・資格取得完全ガイド」も参考になる。


まとめ:教員がオンライン家庭教師を始める5ステップ

ここまでの内容を手順にまとめる。

Step 1:就業規則・服務規程の確認 公立教員は教育委員会の服務担当に、私立教員は学校の就業規則を確認。

Step 2:管理職への事前相談 許可申請の前に学校長に相談。勤務に影響しないことを伝える。

Step 3:兼業許可申請書の提出 公立教員は教育委員会に申請書提出(活動開始の1週間前までを目安に)。

Step 4:プラットフォーム登録と指導コース作成 マナリンクや家庭教師ファーストでプロフィールを作り込む。教員歴・専門教科・対応学年を明記。

Step 5:確定申告の準備を並行して始める 確定申告ソフトを早めに導入し、収入・経費の記録を毎月つける。


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本記事は2026年5月31日時点の情報をもとに執筆しています。法改正や各プラットフォームの規約変更により内容が変わる場合があります。兼業許可の可否は必ず所属の教育委員会・学校に確認してください。