PR表記: 本記事では一部アフィリエイトリンクを使用しています。


教員は基本的に年末調整で完結する——でも確定申告が必要なケースは複数ある

公立教員の給与は自治体から支払われる。 毎年11〜12月に年末調整書類(扶養控除等申告書・保険料控除申告書・基礎控除申告書)を職場に提出すれば、所得税の精算は年末調整で終わる。

確定申告は「年末調整では対応できない控除を追加適用したい」「収入が複数ある」「申告義務が生じた」ときに初めて必要になる制度だ。

言い換えると、年末調整で完結できる状況であれば確定申告は不要。 でも、教員が確定申告を必要とするケースは想像より多い。

以下のチェックリストで自分がどれに当てはまるか確認してほしい。

確定申告が必要かどうかのチェックリスト

  • 副業収入(原稿料・講演料・スポーツ指導・不動産収入など)が年20万円を超えた
  • 住宅ローン控除を初年度に適用する
  • 医療費の支払いが年10万円を超えた(または所得の5%を超えた)
  • ふるさと納税の寄附先が6団体以上 or ワンストップ特例を申請し忘れた
  • 特定支出控除(研修費・書籍費・転勤費用など)を申請したい
  • 株式・投資信託で損失が出て損益通算したい
  • 年の途中で退職した
  • 給与年収が2,000万円を超えた(管理職・大規模校の校長など)
  • 共済組合の傷病手当金・育児休業手当金の課税区分を確認したい

ひとつでも当てはまる場合は確定申告が必要、またはしたほうが得になる。


確定申告が必要なケース①: 副業収入が年20万円超

公立教員は地方公務員法38条により、原則として営利企業への従事が禁止されている。 ただし、「教育委員会の許可を受けた場合」「学校が認めた範囲」の活動は例外的に認められており、以下のような収入が発生する教員は一定数いる。

  • 原稿料・書籍執筆の印税
  • 講演料・研修登壇費
  • スポーツ少年団・学習塾の指導費
  • 不動産賃貸収入
  • 許可を得た上でのnote・書籍販売収入

確定申告が必要になる金額基準

副業収入(正確には「給与所得以外の所得」)が年間20万円を超える場合、確定申告の義務が発生する。

20万円は「所得ベース」であることに注意。収入ではなく、収入から必要経費を引いた額が基準になる。

: 講演料として25万円もらっていても、交通費・教材費などの経費が10万円あれば「所得15万円」→確定申告不要。

住民税は20万円以下でも申告が必要な場合がある

ここで多くの教員がはまる落とし穴がある。

所得税の確定申告は副業所得20万円以下なら不要だが、住民税については20万円以下でも市区町村への申告が必要になるケースがほとんどだ。

住民税の申告義務は「所得税の確定申告不要基準とは別ルール」で運用されている。 副業収入が1万円でも、住民税法上は申告の対象になりうる。

実務上は確定申告をすると自動的に住民税に反映されるが、確定申告をしない場合は居住する市区町村への住民税申告書を別途提出するか、確認の問い合わせをしておくのが安全だ。

「所得税の申告不要=何も申告しなくていい」と思い込んで数年が経った後、住民税の追徴通知が来るケースが実際にある。 副業収入がある場合は念のため市区町村の税務窓口に確認することをすすめる。

副業所得20万円超の境界ライン——教員が実際に直面するケース

副業の申告義務判定でよく迷うのが「いくらから申告が必要か」という境界だ。 いくつかの教員固有のケースで整理する。

ケースA: 教育出版社からの原稿料

指導案・ワークシートの原稿として年間30万円の原稿料を受け取った場合。 必要経費(参考文献・資料代など)が5万円あれば所得は25万円。 25万円 > 20万円なので確定申告の義務が発生する。

源泉徴収されている原稿料の場合、源泉徴収票または支払調書が発行される。 確定申告で源泉徴収額を申告すると過払い分が還付されることもある。

ケースB: 地域スポーツクラブでの指導料

週末にスポーツクラブの技術指導をして月2万円の謝礼を受け取ったとする。 年間24万円。交通費を自費で3万円使っているなら所得は21万円。 わずかでも20万円を超えれば申告義務が発生する。

ケースC: 不動産賃貸

実家の一室を月3万円で貸しているケース。年間36万円の収入。 固定資産税・管理費・減価償却費などの必要経費が年18万円あれば所得は18万円。 この場合は20万円以下なので所得税の確定申告は不要だが、住民税の申告は別途必要になりうる。

教員の副業と確定申告について詳しくは

公立教員の副業ガイドで副業の種類・許可申請・確定申告の関係を整理している。


確定申告が必要なケース②: 住宅ローン控除の初年度

住宅ローン控除(正式名称: 住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンの年末残高の0.7%が税金から直接差し引かれる強力な控除だ。

教員は職業の安定性から住宅ローンの審査に通りやすい。マイホームを購入する教員も多い。

なぜ確定申告が必要か

住宅ローン控除の初年度は年末調整では対応できない。 必ず自分で確定申告を行い、以下の書類を提出する必要がある。

  • 住宅取得後の登記事項証明書
  • 売買契約書(写し)
  • 住宅ローンの残高証明書
  • 確定申告書(第一表・第二表)
  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書

2年目以降は年末調整で対応できる。 毎年10月ごろ、税務署から「年末調整用の住宅借入金等特別控除証明書」が送られてくるのでそれを職場に提出すればよい。

住宅ローン控除の控除額試算

2024年以降の住宅ローン控除は「年末ローン残高 × 0.7%」が所得税・住民税から控除される。

例: 年収450万円の教員がローン残高3,000万円の場合

3,000万円 × 0.7% = 21万円が控除額の上限。 ただし実際に控除できるのは「納付すべき所得税額 + 住民税額の一部」が上限になる。 年収450万円の教員の所得税は概ね6〜10万円程度なので、所得税から6〜10万円を全額控除。 残り分は住民税からも一部控除される(上限: 課税標準額 × 5%、最大9.75万円)。

住宅ローン控除は最大13年間(新築の場合)続く制度だ。 総額では数百万円規模の節税になるため、初年度の確定申告を忘れると1年分まるごと控除を失うことになる。 購入した年は必ず確定申告、と覚えておくとよい。


確定申告が必要なケース③: 医療費控除(年10万円超または所得5%超)

1年間に支払った医療費(本人+生計同一の家族分)の合計が、以下を超えた場合に医療費控除を受けられる。

  • 年間医療費 - 保険金補填額 が 10万円超
  • または所得が200万円未満の場合は所得の5%超

医療費の対象範囲

意外と幅広い。

対象になるもの

  • 病院・歯科医院の診療費・治療費
  • 処方薬代・市販薬(治療目的のもの)
  • 入院費用(食事代含む・差額ベッド代は原則不可)
  • 通院交通費(電車・バスの実費)
  • 妊娠・出産に関する費用

対象にならないもの

  • 健康診断費(疾患発見→治療につながった場合は例外)
  • 予防接種費用
  • 美容目的の治療費
  • 通院のタクシー代(公共交通が使える場合)

セルフメディケーション税制との比較

医療費控除には「通常の医療費控除」とは別に、**セルフメディケーション税制(スイッチOTC薬控除)**という制度がある。

どちらを使うかは選択式で、同じ年に両方は使えない。

比較項目 通常の医療費控除 セルフメディケーション税制
対象費用 病院・薬局など幅広く 特定のスイッチOTC医薬品のみ
控除の下限 10万円(所得200万未満は所得×5%) 1万2,000円
控除の上限 200万円 8万8,000円
適用条件 とくになし 健康診断・予防接種など健康増進の取り組みが必要

医療費がまとまって10万円を超えた年は「通常の医療費控除」一択。 反対に、病院にはあまり行かないが市販薬(ロキソニン・コンタック等の特定スイッチOTC薬)を一定額買っている場合はセルフメディケーション税制が有利になることがある。

どちらを選ぶかは「対象費用の合計がどちらが多いか」で判断するとよい。 教員は定期健診の受診が義務付けられているケースが多く、セルフメディケーション税制の適用条件(健康増進の取り組み)を自然と満たしていることが多い。

医療費控除の節税額——年収別試算

医療費控除でいくら戻るかは、所得税率によって変わる。 教員の年収帯別の所得税率を目安に試算する。

年収帯 所得税率(目安) 医療費控除20万円の節税額(所得税)
〜380万円 5% 約1万円
380〜695万円 10〜20% 2〜4万円
695〜900万円 23% 約4.6万円

さらに住民税(税率一律10%)も医療費控除に連動して下がるため、実際の節税額は上記に加えて1〜2万円上乗せされることが多い。

育休中に子どもの医療費・出産費がかさんだ年は要注意。 出産育児一時金(50万円)や健保の出産手当を医療費から差し引いた後の金額が10万円を超えていないか確認する。 共働き夫婦の場合、所得の高い方(通常は教員の側)にまとめて医療費を申告すると、低い税率の配偶者で申告するより節税額が大きくなる。

教員が見落としがちなポイント

育休中に子どもの医療費がかさむ年がある。 共働き夫婦の場合は、所得が高い方の確定申告にまとめて申告すると控除額が大きくなることが多い。


確定申告が必要なケース④: ふるさと納税で6団体超 or ワンストップ未申請

ふるさと納税には、確定申告不要で控除を受けられる「ワンストップ特例制度」がある。

ただし、以下のどちらかに当てはまると確定申告が必要になる

6団体超に寄附した場合

ワンストップ特例は「寄附先が5団体以内」の場合のみ使える。 ふるさと納税にはまってくると、ついあちこちに寄附して6団体超えになることがある。 この場合は確定申告で「寄附金控除」を申告する。

ワンストップ特例の申請書を出し忘れた場合

ワンストップ特例の申請期限は翌年1月10日(必着)。 この期限を過ぎてしまった場合、確定申告に切り替えて控除を受けることができる。 ただし確定申告の期限(原則3月15日)を過ぎると控除を受けられないので注意。

ふるさと納税の詳細

ふるさと納税全体の仕組み・楽天での手順については教員のふるさと納税ガイド教員が楽天でふるさと納税をやる手順にまとめている。


確定申告が必要なケース⑤: 特定支出控除(教員特有・研修費書籍費等)

特定支出控除は、給与所得者が職務に関連して支出した費用を控除できる制度。 サラリーマン全般が対象だが、教員は特に使える経費が多い。

教員が使える特定支出の種類と具体例

法律上認められている特定支出の種類を整理する。

1. 通勤費 公共交通機関の定期代など通勤に要した費用のうち、勤務先から支給された通勤手当を超えた部分。 自転車・車通勤で実費が支給額を上回る場合も対象になる。

2. 職務上の旅費 出張・視察に要した費用のうち、職場から支給された旅費を超えた部分。 自費で教育視察に行った場合も、職務上必要であれば対象になりうる。

3. 転居費 転勤に伴う引越しの費用(自己負担分)。 教員は自治体の意向で異動が発令されるため、引越し費用が自己負担になるケースがある。

4. 研修費 職場が認めた研修・セミナー・講習会の受講費用。 管理職研修・教科指導研修・特別支援教育の研修など、業務との関連が明確なもの。

5. 資格取得費 業務に直接関連する資格の受験料・教材費・スクール費用。 例: 特別支援教育士・日本語教師資格・情報処理技術者・英検・TOEIC(英語教員の場合)など。 趣味・自己啓発目的とみなされる資格は対象外になるため、「職務との関連」が証明できるかが重要。

6. 書籍費 職務の遂行に必要な専門書・参考書・学術書の購入費用。 学習指導要領解説書・教科教育研究書・学級経営関連書籍など。 「仕事に使った」根拠が後から示せるよう、レシートと合わせてメモを残しておくとよい。

7. 衣服費(職務上の被服費) 職務上必要と認められる衣服の費用。 体育教員が授業で着用するジャージ・運動靴など、業務専用と判断できるものが対象。 私服と兼用になるものは認められにくい。

8. 交際費等(職務上の交際費) 職務の遂行上必要な交際のための費用。 PTA行事・地域連携・保護者対応での支出のうち、業務関連が明確なもの。

使える金額の目安

特定支出控除が使えるのは「特定支出の合計額 > 給与所得控除額の1/2」の場合に限られる。

年収400〜600万円の教員なら、給与所得控除は概ね100〜170万円程度。 その1/2(50〜85万円超)の支出がなければ控除メリットは出ない。

実際には多くの教員が「書籍代+研修費+転勤費用」を合算しても50万円超にはならない。

ただし転勤が多い教員・遠距離単身赴任の教員・資格取得に多額を投じた教員は試算する価値がある。


確定申告が必要なケース⑥: 株式・投資信託の損益通算

NISA口座の普及で教員の投資参入が増えている。 特定口座(源泉徴収あり)で取引している場合は通常は確定申告不要だが、以下のケースでは確定申告をしたほうが得になる。

損益通算で税金を取り戻す

同じ年に複数の証券口座を使っていて、A口座で利益・B口座で損失が出た場合、確定申告で損益通算をすることで課税される利益を圧縮できる。

例:

  • SBI証券の口座: 20万円の利益 → 約4.06万円の税金が源泉徴収される
  • 楽天証券の口座: 15万円の損失

両口座を合算すると利益は5万円。 損益通算を確定申告で行うと、余分に徴収された分(約3万円)が還付される。

特定口座(源泉徴収あり)を使っている場合でも、複数口座の合算は確定申告でしかできない。 証券会社をまたいだ損益通算は自動では行われない、ということを知らない教員は多い。

繰越控除で翌年以降も節税

損益通算しても損失が残った場合、確定申告をすることで最長3年間にわたって損失を翌年以降の利益から差し引くことができる(繰越控除)。

繰越控除を利用するには毎年確定申告を継続して行う必要がある。 「今年損が出た → 確定申告して損失を記録する → 翌年以降の利益から差し引く」という流れだ。

NISA口座は損益通算の対象外

NISAの非課税口座内の損失は、他の口座の利益との通算はできない。 NISAで損失が出ても節税には使えないため注意する。

iDeCoは年末調整でも対応できる

iDeCoの掛け金は「小規模企業共済等掛金控除」として全額所得控除になる。 年末調整で申告できるため、通常は確定申告は不要。 ただし年末調整で申告し忘れた場合は確定申告で追加申告できる。


確定申告が必要なケース⑦: 給与年収2,000万円超(管理職・指導主事)

これは多くの教員には関係ないが、校長・副校長・教育長・指導主事など上位職に就いている場合は注意が必要だ。

給与年収が2,000万円を超えると、年末調整が行われない。 「給与所得者の源泉徴収税額の計算」が所得2,000万円超には適用されず、必ず自分で確定申告をする義務がある(所得税法第121条)。

公立学校の給与体系で年収2,000万円超になるのは教育長クラスや、超大規模自治体の上位職などごく一部に限られる。 ただし、講演料・原稿料・不動産収入などを合算すると2,000万円に近づくケースもゼロではないため、給与が高い教員は合計所得を把握しておくことをすすめる。


確定申告が必要なケース⑧: 共済組合からの給付金と申告の関係

教員は文部科学省共済組合や各都道府県の教職員共済に加入しており、様々な給付金を受け取ることがある。 これらの給付金の課税区分を正しく理解しておくことが重要だ。

課税される給付金・非課税の給付金

非課税になる主な給付金

  • 育児休業手当金(育休中に共済組合から受け取る手当)
  • 傷病手当金(病気・けがで働けない期間に受け取る手当)
  • 出産費(出産にかかる直接費用の補填)

これらは原則として所得税・住民税ともに非課税となる。 給付金を受け取っても確定申告に影響しない。

課税対象になりうる給付金

  • 共済組合の「職域加算」部分の年金(退職後)
  • 共済組合の財産形成給付金(一定条件下で課税)

育休中の確定申告は必要?

育休中に確定申告が必要になる典型的なパターンがある。

  1. 育休開始前に医療費・出産費が10万円を超えた年: 医療費控除の申告
  2. 育休前に住宅ローン控除の初年度にあたる: 確定申告が必要
  3. 育休中に株式売却や副業収入があった: 所得に応じて申告義務が発生

育休中は「所得ゼロ」ではない。 育休前の給与・賞与が1〜12月のどこかに発生していれば、その年の所得は年末調整で処理される。 ただし育休で年末調整書類を職場に提出できなかった場合は確定申告で対応することになる。

職場の事務担当者に「育休中の年末調整はどうなりますか」と確認しておくと安心だ。


確定申告の流れ(2〜3月期限)とe-Tax活用

確定申告は毎年2月16日から3月15日が申告・納付の期限。 還付申告(税金が戻ってくるケース)は1月から申告できる。

確定申告の手順

STEP1. 必要書類を集める

  • 源泉徴収票(職場から12月末〜1月に交付)
  • 控除に必要な証明書類(生命保険料控除証明書・医療費明細・寄附金受領証明書など)
  • マイナンバーカード or マイナンバー確認書類

STEP2. 申告書を作成する

国税庁の確定申告書等作成コーナー(e-Tax)で画面の指示に従って入力するのが最も簡単。 マイナンバーカード+スマホがあればスマホだけで完結できる。

STEP3. 提出する

e-Taxならオンラインで提出完了。 管轄の税務署に持参・郵送でも可。

還付金はいつ戻る?

e-Taxで申告した場合、還付金は申告後3〜4週間以内に指定口座に振り込まれることが多い。 確定申告書に自分の銀行口座情報を記入する欄がある。

教員が確定申告でよく使うツール

マネーフォワードクラウド確定申告やfreeeは、源泉徴収票を入力するだけで申告書が自動作成される。 副業収入が複数ある場合に特に便利。

教員が確定申告でつまずく書類一覧と入手方法

慣れていないと「この書類どこで手に入れる?」で時間をとられることがある。 教員がよく使う書類と入手先をまとめた。

書類名 入手先 タイミング
源泉徴収票 職場の事務担当 翌年1月
医療費の明細書 自分で作成(レシート・通帳明細から) 随時
医療費通知書 共済組合から郵送 翌年1〜2月
寄附金受領証明書 ふるさと納税先の自治体から 随時
住宅ローン残高証明書 ローン会社から郵送 10〜11月
登記事項証明書 法務局窓口 or オンライン 購入年のみ必要
株式取引の年間取引報告書 証券会社のマイページ 翌年1月
iDeCo掛金払込証明書 国民年金基金連合会から郵送 10〜11月

医療費通知書(共済組合から届く明細)があれば、レシートを1枚ずつ集計する手間がかなり省ける。 ただし通知書に載っていない費用(通院交通費など)は自分でまとめて追加申告する必要がある。

e-Taxの具体的なメリット

e-Taxを使うと税務署への持参・郵送の手間がなくなるだけでなく、以下のメリットがある。

書類の添付省略: マイナポータル連携対応の保険会社・金融機関のデータは自動取込できる。 生命保険料控除証明書・株式の年間取引報告書などを手入力しなくてよい。

還付が早い: 税務署に郵送した場合の還付は2〜3ヶ月かかることがある。 e-Taxなら3〜4週間程度で口座に入金される。

24時間対応: 深夜や週末でも申告できる。 学校現場の多忙な教員には特にありがたい。

期限後申告のリスクと対処

3月15日を過ぎてしまった場合、「期限後申告」になるが申告は可能だ。

無申告加算税: 申告した税額の5〜15%(自主申告の場合は5%が基本、税務署から指摘されてから申告すると15%に跳ね上がる)

延滞税: 期限翌日から申告日まで年率2.4〜8.7%程度(時期によって変動)

「申告しなかった分の還付は5年以内なら申告できる(還付請求権の消滅時効)」という救済もある。 医療費控除・住宅ローン控除の申告漏れに気づいた場合は遡及申告を検討する。


FAQ

Q1. 年末調整が終わっていても確定申告はできますか?

A. できます。年末調整で対応できなかった控除(医療費控除・寄附金控除など)を確定申告で追加申告することは問題ありません。翌年1月以降〜3月15日までに申告してください。

Q2. 副業が年20万円以下の場合は本当に申告不要ですか?

A. 所得税の確定申告は不要です。ただし住民税については「所得20万円以下でも申告が必要」な自治体もあります。金額が小さくても念のため居住地の市区町村に確認することをすすめます。

Q3. NISA・iDeCoは確定申告が必要ですか?

A. 一般的にNISA口座の運用益は非課税なので確定申告不要です。iDeCoは年末調整で「小規模企業共済等掛金控除」を申告できます。確定申告でも申告可能です。

Q4. 副業で確定申告をすると職場にバレますか?

A. 住民税の納付方法を「普通徴収(自分で払う)」にしておくと、副業分の住民税増額が職場経由で判明しにくくなります。ただし副業自体の申請は別途必要です。詳細は公立教員の副業ガイドを参照してください。

Q5. 確定申告を期限(3月15日)に間に合わせられなかった場合はどうなりますか?

A. 期限後申告は可能です。ただし「期限後申告」となり、無申告加算税(5〜15%)・延滞税が加算されます。気づいた時点でできるだけ早く申告することをすすめます。

Q6. 医療費控除はいくら節税になりますか?

A. 医療費控除の対象金額 × 所得税率が目安です。年収500万円の教員の所得税率は概ね10〜20%程度。医療費控除対象額が20万円なら2〜4万円の還付が見込めます。住民税も連動して下がります。

Q7. 育休中の年は確定申告が必要ですか?

A. 育休中でも医療費控除・住宅ローン控除・ふるさと納税の申告が必要な場合があります。育休前の給与が1〜12月に発生していれば年末調整または確定申告で精算します。育休中に確定申告が必要かどうかは職場の事務担当か税務署に確認するのが確実です。

Q8. 共済組合の傷病手当金は確定申告に影響しますか?

A. 傷病手当金は原則非課税のため、確定申告への影響はありません。ただし傷病手当金を受け取りながら副業収入があった場合など、他の所得との関係で確認が必要なケースもあります。


まとめ——教員が確定申告を必要とするケース一覧

ケース 確定申告が必要な理由
副業収入(所得)が年20万円超 給与以外の所得の申告義務
住宅ローン控除の初年度 控除適用には確定申告が必須
医療費が年10万円超 医療費控除は年末調整不可
ふるさと納税6団体超 or ワンストップ未申請 ワンストップは5団体まで
特定支出控除を申請したい 年末調整では申告できない
株式・投資信託の損益通算・繰越控除 複数口座の合算は確定申告のみ
給与年収2,000万円超 法定で確定申告義務
育休・傷病休暇中に他の控除申告が必要 年末調整不可の場合に確定申告で対応

節税全体の設計については教員が使える節税完全ガイドに整理している。 副業と確定申告の関係は公立教員の副業ガイドも合わせて読んでほしい。 ふるさと納税の控除を確定申告で受けるケースは教員のふるさと納税ガイドを参照。


本記事は2026年6月時点の情報です。 最新の制度確認・個別判断は専門家にご相談ください。

次の一手